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8月, 2021の投稿を表示しています

会社の何を見るの?というお話①

 何一つ参考にならないとは思うが当方の投資方針について。一気に書くのが七面倒なので連載型の記事にする。  「自分が理解している会社の株を買え」、「クレヨンで説明できないアイデアには投資するな」とはピーター・リンチの言である。個別株を選定するときは フィッシャー流のアプローチ を採っている僕もこれには同意だ。基本的によー分からん株に手を出した結果は凄惨たる結果に終わったのが大半だった(僕は初めて買った米国株のLMTで大損してる。 笑いたけりゃ笑っていいぞ )。  しかし、理解している株を買えと言った所で会社とは経済活動を行うするわけ巨大な有機体に他ならない。コカ・コーラや任天堂といった誰もが知る有名企業もその事業の全容を理解するとなれば一筋縄ではいかないだろう。そのために財務諸表や決算書を読んだりする訳だが余りにも情報量が多い。何から目を通したらいいの?というのが正味の所だと思う。  ひとまずはファインナンスの領域から距離を置いて、精査する会社を一般化、抽象化するところから始める。各経営指標や財務諸表の数字を見るのはそれから。ともあれ、それが何より投資先の事業内容を理解する助けになると思う。  何事もシンプルに考えるのがモットーである僕は以下の点に着目して投資先を選定する。 ①この会社は儲かってるの?→営業利益率、売上、営業CF、ROIC、ROE ②この会社は何で儲けてるの?→事業内容、市場、製品 ③この会社はこれからも同じ事業で稼げるの?→市場規模、景気、需要、競合の脅威  最初にこれらを見て足切りを行う。良かったらもう少し掘り下げて調べる。  つまるところ会社の本質的価値(Intrinsic value)とは会社が事業で生み出す将来CFから株主に還元される額の総和に相違ない。この上記3点を抑えればある程度は投資先のビジネスの趨勢を見極める事が可能なはずだ。  何より怠惰な僕の性に合っている。もちろん、上記の①~③だけを見るのは会社を評価するのに当たって一般化し過ぎている事も承知の上だ。いわゆる『見落とし』が生じかねない。  そこで次に二次的思考に拡張して会社が取り扱う商品のセグメント、業界マップを精査し、過去10年の営業CFの推移を確認すれば大きな誤りを犯す事もないのではと思っている。  次回は適当な会社を例を挙げて銘柄分析を行うと思う。お気に入りのETSYかEX

2021/8/21時点の日株PF

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 先週にかけて日株PFを更新した。 OUT→日本郵船 IN→モノタロウ Short Position→イナゴ工業  現行のポジションは以下の通り。  3054、7564の小売業2種に3038の食品卸売業1種のポートフォリオだ。日株のメリットは一次情報が母国語で入手できることに加えて、日常生活でサービスを実感している企業に投資できることにあると考えている。いずれも公私においてお世話になっている会社だ。 ......  幸いなことに日本郵船のスイングでそれなり美味しい思いができた。ショート枠のイナゴ工業は半導体不足で自動車関連株が弱い間はホールドしようと思う。これと言って恨みがあるわけではないが大きく下がってほしい。 繰り返し述べるが7246は僕の懐を潤わせるために下落を願っているのであって決して特定の個人に対する私怨ではない。  感情で有価証券を扱わないのが僕のモットーだ。

最近、FBが気になる

  タイトルのままだ。FBすごく買いたい。今は最高値付近で心理的には買いにくいかもしれない。でも割安とまでは行かないまでもフェアバリューだと思う。  僕の主観が入り混じった分析なのでFBのファインナンスについてはここで各自に判断してほしい。 https://app.tikr.com/stock/estimates?cid=20765463&tid=126910337&ref=te8cnb  実はFBはずっと買わなかった事を後悔している株のひとつだ。ザッカーバーグが嫌いだから買わなかった。とにかくアレは好かん。  理由?2010年公開の映画『 The Social Network 』の描写が気に食わなかった。ただそれだけ。キラキラのリア充がチー牛陰キャを装てるのが気に食わない。あの映画には何かと訴訟を抱えがちなザッカーバーグの好感度UPという意図が見え透いてる。僕より金持ちで顔がよくて オマケにモテる奴を妬んでる訳ではない。これだけは一言断っておく。  あと、FBのセコイビジネも気に入らない。セコイビジネスをやってるからあれだけ巨大なテック企業に成長したとも言えるが。知っての通り同社の主たる収益は広告にある。私なりのFBの見通しを説明する前にFacebook、もとい広告業のビジネス全般について少し触れておく。  何かと利用者の個人情報流出という話題に事欠かせないFacebook。それもそのはず、連中に真っ当な会社なら持ち合わせてる企業倫理なる物を期待してはならない。当たり前ちゃ当たり前でSNSにとってはユーザは顧客ではない。彼らにとって顧客とは広告主だ。ユーザの個人情報など利ざやを稼ぐための商品に過ぎない。だから彼らにしてみればユーザを大切に扱う義理などない話なのである。まぁどう見ても世紀の悪徳企業だよね、FBは。  そんな悪徳企業が29億人の個人情報を利用して様々なビジネスを行っている訳だ。先月の決算後に新規ユーザの伸び鈍化、iOSや政府の広告規制による収益減はそこまで悲観していない。これからFacebookが膨大な数の個人情報とこれから同社が 新規事業を展開する電子商取引サイトやVR/ARのシナジー効果はすごいと思う。そこに賭けてみたい。  毒を食らわば皿まで。カネの為に悪に加担しようと思う。

新Arle10種

  頻繁にポートフォリオの銘柄を入れ替えるのは敗者の戦術に相違ないが中国株のポジションを全決済した以上、それに代わるアセットをPFに組み込む必要性に迫られた。そこで今回は新Arle10種を紹介したい。 整理銘柄 CHWY、HK:0700 、HK:9988 →OUT 1.NVDA(Nvidia) AIやSaaS、クラウド、VR/AR。次世代を担う技術で誰が覇者になるか僕には見当もつかない。そこでピックアンドシャベル戦略を採ることにした。画像の情報処理に欠かせないGPUの開発・設計を生業とするNvidiaに投資して次世代技術の市場からパイを取ろうという魂胆だ。今は割高で買い増す気にはなれない。 2.TSM(TSMC) 説明不要。下請けメーカの下剋上。いいぞ、もっとやれ。今は割高だと思う。$100台(欲を言えば$90台)になったら積極的に買い増そうと考えている。 3.ETSY(Etsy.inc) Etsy.incをありきたりな電子商取引サイトを運営する会社と見るとその事業価値を過小評価しかねない。 同社の強みはEコマースの 売り手から出品手数料と販売手数料を徴収するショバ台ビジネスに留まらない。同業他社に対する競争優位性は 手芸、ヴィンテージ品を扱うというニッチトップを活かした戦略的値引きにある。21Q 2の決算を越した時点のROIC=22.8%という数字がETSYの収益力を裏付けていると言っていい。 EC関連銘柄のROICとセグメント別の収益率を比較検討すると記事が一つ書けてしまうので割愛する。 コンセンサス予想未達の前期の決算を受けて若干の調整を受けたが将来CFから割り引くと現在の価格はフェアバリューといった所。強調するが‐9%の下げは 若干の調整である。 痛くも痒くもないないね。PF内でも組み入れ比率4位と大きな割合を占めているのでポジションを増やす予定はない。 ETSYに関しては機会があれば、個別で記事にしたい。 4.APPS( Digital Turbine ) 売上、EPSはクリアしている。だが、いざ21Q2決算見てみると売られているだけあって悪材料は多いように思える。営業CFのマイ転とか売掛金増えてたりとか。とりあえず買収した2社が収益増に貢献することに期待したい。 5.MSFT(Microsoft) 6.AAPL(Apple) 弊ファンドの優等生。恩株化し

中国株全部売った

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 タイトルの通りである。前回の記事でチャイナ株のポジションは整理しないといった矢先にこの様だ。  バフェットよ、航空株狼狽売り爺とか言ってすまなかった。今の私ならあの時のあなたがなぜ航空株を売ったのかも理解できるつもりだ。状況が変わったのに自分の考えに固執するのは危険そのものだ。    今月頭にテンセントを、昨日にアリババを全部売った。 私の誤りは中国のカントリーリスクをあまりにも過小評価していたことだ。見苦しい言い訳はしない。零れたミルクをいつまでも嘆いても仕方がないので、アリババ、テンセントで計74万円の損失は授業料だと割り切ることにする。 ......   言い訳はしないと言ったものの私の過ちを自戒を込めてデジタルタトゥーとして残そうと思う。  ともあれ私は中国株には結構な強気筋の方だった。だからこそ損切の判断が遅れた訳だが。投資判断を下した当初とは状況が変わってしまった。  以下の図のように、企業をステークホルダとして俯瞰した場合、中国企業は政府との関係が余りにも歪なように思える。本来ならば政府に税金を納めることで経済活動の自由が保障され、株主の為に価値創出に励む公器というのが株式会社のあるべき姿であるはずだ。おまけに中国企業の場合は税金に加え罰金まで課せられる。 画像 左 『真のバリュー投資のための企業価値分析』柳下 裕紀 より  こんな事はアリババの罰金やアントのIPO計画の頓挫から分かり切っていたはずだ。私もそのつもりで投資していた。だがエドテック企業の非営利化の件もあり、中国のカントリーリスクは私が株主として許容できる閾値を超えてしまったのだ。  アリババそれ自体はとてもいい会社だと思う。またの機会にinすることはあるかもしれない。 ......   チャイナ株から引き揚げた資金はEXPとAPPSに投資した。特にEXPは現行のポジションの中でも強気な方だ。この件については、またの機会に。